院長コラムCOLUMN

辛い時に力をくれる言葉

2024.10.04

誰にでも人生に何度か八方塞がりのピンチと言える時期があると思います。

東洋医学で診察をしていると、お腹の筋肉がこわばっている人、舌にたくさん苔がついている人、舌の周りに歯型がついている人に出会います。すごく気を遣ったり、悩んだりして、心がこわばっている人、その結果胃を痛めている人、気力を使いすぎてしまっている人になどに時に見られる所見です。(注 他の原因の場合も沢山あります)

皆さん自分からは言われませんが、こちらからストレスになっていることがないか伺うと、ご自身のお話を教えて下さいます。中には人生の岐路ともいえる、差し迫った状況の方もおられます。

体に現れた症状が、実はそのストレスに起因していることを説明すると、「なんとなくそうだと思っていました」、と言われることがあります。内心では何となく分かっていることを、体の所見というある種の証拠を元に、それが本当にそうだと他人から言ってもらえるだけでも、心が安心することがあります。とりわけ自己犠牲的な考えが強い人、責任感が強い人は、自分が辛いと認めることもさえ、自分に許せないことがあるのです。

こう言った場合、食養生や足湯、漢方薬で介入して、一時的に症状は良くなっても、ストレスの原因がある限りは症状は再発するか別の形で出てきます。

苦しい時期をどう乗り越えるか。みんなそれぞれに、辛い時を乗り越える力をくれた言葉なり、体験なり、叡智なりをお持ちだと思います。今日は最近私の心に響いた詩を一つ紹介します。

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「マイナス現象に原因を求めない」

(千賀一生さんのメルマガより ご本人の許可を頂いて引用)

冬になる時、木は葉を落とす。

人間も、時に葉を落とす時期に直面する。

大切な人とわかれたり、仕事や何かを失ったり…

多くの場合、人間は、その時期になるとあせり、何が悪いのかと考えたりする。

失いたくないという心理から、それを回避する経路を求めるのだ。

しかし、木を見てほしい。

彼らは決して原因を求めない。

原因は相対次元には存在しないことを知っている。

ただただ、落ちることが必要であるから落ちるのだ。

そこに、その時が来たという以外の原因は存在しないことを知っている。

善悪も存在しない。

それは、リズムなのだ。

正しいのか、間違っているのかではない、重要な点がある。

それは、

葉が落ちる時には、新たな芽が誕生しつつあることだ。

人間はそれに気付けないが、木は気付いている。

人間には、個人的原因でないものにまで個人的原因を求めようとする心理がある。

その原因を求める心理が、人間を迷い道に引き込む。

そうして、そのリズムが与えようとする新芽の誕生を阻害する。

木は、個を超えた領域を知っている。

落ちるがままに落ちるだけ落とすこと。

それがベストであることを木は知っている。

失ったように見え、失うのではないことを、木は知っている。

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もちろん、一般論的には現実生活の中で、例えば仕事で何かミスをした時には、何が原因なのかを具体的に精査し、対策を練ることで再発予防をとることは必要です。しかし過度に個人的原因と捉えてこれをしてしまうと、視野が狭くなり、あらぬ方向に対策が向かってしまいます。

マイナス現象に直面した時に、その現実を否定せずに、ただただその現象を善悪の判断なく受け入れる姿勢をもつことは、心のこわばりを和らげて、自然体の自分に戻るためにとても有用だと思います。その自然体の自分に立ち戻った状態で、起きている現実を冷静に見つめることで、自然と次の取るべき道が見えてくるのかなと思います。

最後までお読み下さり有難うございます。

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