院長コラムCOLUMN
中国河南省での漢方研修記④
2025.11.10
〜4日目〜
河南中医薬⼤学での歓迎
4 ⽇⽬は再び鄭州に戻り、河南中医薬⼤学を訪問しました。
今回の旅の企画メンバーで、中国との橋渡し役をして下さった仝先⽣の⺟校とのことでしたが、本部の会議室のような部屋に通されました。スクリーンには「熱烈歓迎⽇本東⽅医学会訪問 河南中医薬⼤学」の⽂字があり、先⽅の⽅々が全員総⽴ちで出迎えて下さいました。先⽅は河南中医薬⼤学 ⽥⼒副学⻑、呼海涛⼈事⼈材⼯作部部⻑、朱剣⾶国際合作所所⻑、陳建設河南中医薬⼤学附属病院副院⻑、劉琦期刊社副主任、何娟中医学報編集部主任といった⽅々でした。⽥⼒副学⻑はとても上品な⼥性の⽅で、冒頭に河南中医薬⼤学の紹介をして下さりました。同⼤学は学⽣数 2 万 5000 ⼈の規模で 4 つの附属病院があり年間外来⼈数は 73 万⼈とのことでした(マジで!?と内⼼動揺しておりました)。今回の我々の訪問をとても嬉しく思っていると⾔ってくださいました。これに対して⻑瀬会⻑も東⽅医学会として中医学の研鑽を⻑年にわたって続けて来たこと、今回の交流の機会を持てて、とても嬉しいということを返答されました。その後も中国側の陣容に負けない訪問団の堂々たる返答に、誇らしい気持ちを抱いていました。私も前列に席を設けて頂いていたのですが、仝先⽣より中国語でスピーチをするようにと⾔って頂きました。私の拙い中国語を信頼して、この機会を下さったことがとても嬉しく、⾃分の語彙をフル活⽤して以下のような内容をお伝えしました。“私は⼀介の内科医で、京都で開業しています。私は漢⽅を学び始めて 2 年程度であり、ここに列席されている先⽣⽅と⽐べて経験年数は⻑くありません。中国語の学習も同じくらいです。しかし私の⽗は中医学を⻑年学んだ医師であり、⺟もまた漢⽅薬を扱う薬剤師であったため、幼い頃から中医学が⾝近にありました。中医学を学び始めて、その背景にある中国の古代哲学、陰陽五⾏や易経の概念の素晴らしさを知りました。そして医学も⾃然界の⼀部として捉える考え⽅がとても好きです。今⽇このような素晴らしい機会を与えて頂きとても感謝しています。2 ⽇前には⿓⾨⽯窟を訪れましたが、⼼の深い部分で共鳴するものがありました。とても懐かしい気持ちになりました。今回は⽇本の伝統楽器である⿓笛を持参しました。元々は唐の時代に中国から⽇本に伝来した管楽器です。”この様な内容をお伝えしました。そう、私は⼤学時代から学んできた雅楽の⿓笛を、龍笛の故郷である中国で演奏したいと思い持参していたのです。そして実際に演奏するチャンスを得ることができたのです。⿓笛は夜の交流会で演奏させて頂けることになりました。
河南中医薬⼤学附属病院その後附属病院を⾒学させて頂きました。とても綺麗な施設であり、この施設を紹介して下さった王主任と、看護師さんがとても嬉しそうに紹介をして下さいました。この病院で働いていることにとてもやりがいを感じていて、誇りを持って仕事をされていることが伝わってきて、素晴らしい施設だなと思いました。IT 化もかなり進んでいて、コロナの時には⼤活躍されたそうです。現代において伝統医学が IT と融合して国家の危機を救った。そしてそれを社会全体で誇りに思っている。医療者と国⺠との信頼・連帯感も強いのだろうなと感じました。
⿓笛の演奏
⼣⽅になり、先ほど会議室でお話しした皆さまと、⼤学のレストランの様なところで宴席が設けられました。⽥⼒副校⻑より「今⽇はとても素晴らしい機会になりました。これからも⼒を合わせて伝統医学の発展に向けて頑張りましょう。 」と⾔われ、⽇本語でも「ガンバリマショウ」と⾔って下さいました。度数 53 度の⾼濃度の地酒「⽩酒」で乾杯し⾷事が始まりました。その後朱所⻑からのお⾔葉があった後、雅楽の演奏をさせて頂きました。
⿓⾨⽯窟で共鳴した古代中国の⼈達が描いた神聖な世界を思い出しながら、越天楽を演奏させて頂きました。またその後別室では春庭花を演奏させて頂きました。中国側の⼈達も、研修団の⼈達もとても喜んで下さり、私にとって忘れられない経験となりました。⾳楽は⾔葉の壁を超えて、⼼と⼼と直接繋ぐことができることを実感しました。また、1200 年の時を超えて、伝来元である中国河南省で⿓笛を演奏できたことは本当に嬉しい経験でした。
最後に
今回の旅で中国の古代から受け継がれてきた医療・文化にふれ、またそれをを通して現代に生きる中国の医療関係者の皆様と触れ合う機会を持つことができたことはとても大きな財産になりました。漢方だけでなく、言語・思想・文化など我々の日常のとても身近なところにも古代からの両国の交流の足跡が沢山見られます。今回私が直接交流することができた人達は、とても温かかったです。この感覚は直接交流して初めて得られる貴重なものでした。どちらの国にも必ず理解し合える人達がたくさんいます。このような絆を大切にしていきたいと心から願っています。
最後にこのような機会をお与えいただいた日本東方医学会の長瀬先生、仝先生、竹下先生に感謝申し上げます。
また訪問団の皆様、医療通訳の張様そして中国の現地で中医学をご紹介いただいた医療関係者の皆様に感謝申し上げます。
中国河南省での漢方研修記(終わり)
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